おはようございます、
中小飲食店専門コンサルタント 中小企業診断士 (有)三峰プロジェクト 鈴木秀樹です。
◆「交雑牛」の説明をしましょう・・。聞いたことのない方も、多いかもしれませんね
昨日までのブログで、「和牛」「国産牛」のご説明を済ませました。
あとは、「交雑牛」を残すだけですね。
分かりやすく言ってしまえば、
- 雑種:和牛+国産牛
ということです。
牛の種類に入る前に、
- 繁殖農家
- 肥育農家
のご説明をしましたが、いずれも経営安定化のためには「生産性の向上」が欠かせません。
そのための「工夫」が、「交雑牛」なのです。
◆畜産農家の生産性を上げ、なおかつ、高品質の付加価値牛肉を生み出すために・・・
「交雑牛」は、「F-1」と呼ばれます。
- F-1:First Filial generation
が英語の意味で、「メンデルの遺伝の法則」に出てくる言葉です。
牛の場合に、具体的に当てはめれば、
- F-1牛(交雑牛):黒毛和種の(牡)とホルスタイン種の(雌)との交配により生まれる一代限りの種のみの呼号
です。 上記の交配より生まれる種に、再度交配を重ねた種は「F-1牛」とは呼ばず「交雑牛」とのみ表記されます。
「F-1牛」の特徴としては、両親の持つ別々の長所を合わせ持つ可能性があるほか、両親のいずれより高い能力を持つ可能性があります。これを、遺伝子学的には「雑種強制」と呼びます。つまり、黒毛和種(父)の血統により、黒毛和種により近い品種となり、
- 純粋黒毛和種ほど高価にならず、お手頃でおいしい牛肉
となるわけです。
(引用:サヌキ畜産加工協同組合様)
◆黒毛の父親と、ブチの母親から生まれる、交雑牛の子供はどんな柄?
「交雑牛」が全国的に積極的に飼育されるようになったのは、
- 1991年4月:牛肉の輸入自由化
からです。それまで、規制に守られていた「国内畜産農家」に対して、国の方から、
- 高品質・値ごろ価格の交雑牛
にシフトすることで、競争力を強化・・・、するように奨励されたんですね。
つまり、高品質の黒毛和牛の種(父親)を、低コストのホルスタインのお腹(母親)で繁殖させることで、高品質・低価格の肉を「高生産性」で生産するようになったというわけです。
ところで、セミナーでもウケル質問なんですが、
- 黒毛の和牛の父親と、ブチのホルスタインの母親から生まれる子供の「F-1牛」は、どんな柄?
だと思いますか?
- 黒っぽいブチ
- 黒地に白のブチ
- ブチの黒が大きくなる
などの、クリエイティブなご意見を頂けます・・・。正解は、
- 「交雑牛」は、ほぼ黒毛
になるんです。
おそらくこれも、「雑種強制」の一部で、白よりも黒の方が強いからなんだと思います。
◆「○○黒牛」というブランドは、多くが「交雑牛」なのです
結果として、
- 「和牛:と「交雑牛」は、見た目はソックリ
になり、地域によっては、
- 和牛には「○○和牛」と言うブランド名
- 交雑牛には「○○黒牛」と言うブランド名
を付けて販売しているのです。
消費者にとっては、分かり難いブランド名ですよね。
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