8月31日_HPのコンテンツの作り込み 7

おはようございます、
中小飲食店専門コンサルタント 中小企業診断士 (有)三峰プロジェクト 鈴木秀樹です。

 

◆今日は、減価償却費率について書いていきたいと思います。

このテーマについては、開業希望者様へのコンテンツで「初期投資(先行投資、設備投資)」という項目で、詳細に記述してありますので、一部文章を修正して、使い回しちゃおうかな・・・。

 

◆「減価償却」って、そもそも何? 初期投資(先行投資、設備投資)と関係あるらしいけど・・・。

飲食店開業における代表的な初期投資(先行投資、設備投資)としては、

  • 建築費
  • 内装施工費
  • 厨房設備費
  • 保証金/家賃
  • 運転資金

などがあります。
これらの内、簡単に言えば、建物や設備に掛かった金額(設備資金)は「資産」として計上され、ある定められた条件に従って、その価値が減っていく分を徐々に経費計上していきます。これを「減価償却」と言います。
(減価償却について、詳しく知りたい方は別途お問い合わせください)

そして、この減価償却は費用ですから、月々の売上から差し引かれて利益計算をする訳です。

ここまでが、第一ステップ!
ついて来れてますか?

 

◆「減価償却費」って、現金出納帳には出てこないのに、「決算資料」には経費として出てくるんだけど・・・。

皆さまの中で「減価償却の領収書」って見た事ありますか?
そうなんです、「減価償却費の領収書」ってないんですね。なぜなら、毎期の支払いってしていないんです・・・。

難しくなってきましたね・・・?!

つまり、支払いは「初期投資」で済んでいて、それを一旦「資産」に棚上げしておいたものを、年に一回の決算処理で価値が下がった分を費用化していくんです。平たく言えば(かなり平たく言えば)、先行投資を分割払い(支払いは初期に一括払い)しているような感覚です。

 

◆適正な「売上高対減価償却費率」は、5~10%です。

  • 減価償却費は、初期投資の結果として生じる固定費である

という前述の関係を踏まえると、こんな考え方が出来ます。
簡単な計算式でご説明するならば、

  • 先行投資額 = 見込売上/月 × 5~10% × 12ヶ月 × 5~10年

と言うことです。
例として、

  1. 「店舗面積30坪 × 10万円/月坪売上 = 300万円/月商」というお店で考えてみますと、
    • 安全な設備投資額   = 300万円 × 5% × 12ヶ月 × 5年 = 900万円 = 月商の3ケ月分
    • 積極的な設備投資額 =  300万円 × 10% × 12ヶ月 × 10年 = 3,600万円 = 年商分
       
  2. 「店舗面積30坪 × 20万円/月坪売上 = 600万円/月商」というお店で考えてみますと、
    • 安全な設備投資額   = 600万円 × 5% × 12ヶ月 × 5年 = 1,800万円 = 月商の3ケ月分
    • 積極的な設備投資額 =  600万円 × 10% × 12ヶ月 × 10年 = 7,200万円 = 年商分

 

月次売上高(月坪売上高)」や「安全性の考え方」に応じて、金額的な開きはありますが、

  • 月次損益において、減価償却費の計上額は一定(固定費)である

と言う点をご理解いただければイイと思います。

 

◆初期投資(先行投資、設備投資)について、補足説明を加えると・・・。

上記の安全な設備投資額の場合、

  • 900万円 ÷ 30坪 = 30万円/坪建築費

となります。
つまり、「坪当たり30万円で店舗を仕上げろ!」ということです。
この考え方にも、賛否両論あると思います。

  • 一般住宅でも「約50万円~/坪建築費」なのに、商売として使う店舗を「30万円/坪建築費」では貧弱すぎる・・・

なんてお叱りの声を受けそうです。
でも、僕(鈴木秀樹)は、敢えて、このように指導しています。
率直な結論として、「居抜の物件」しか選択肢がなくなってしまうのが現状でしょう・・・。

 

それは、

  • 内装設備で集客するのは、大手のやり方
  • 商売は続けてこそ意味がある

と思っているからです。
お金を掛けた内装でも清掃が行き届いてなければ、お客様はリピートしてくれません。
逆に、質素な内装でも、清掃が行き届き、磨き上げたような店内であればお客様は必ずリピートしてくれます。

 

そして何より、

  • 追加投資を「キャッシュフローの範囲内」で実行すればいい

と思っています。
オープンして初めて「不具合」や「必要な機材・設備」に気づくことも少なくありません。逆に、「使いにくかったり、不要な設備」というものも出てくるでしょう・・・。初期にこれら全てを見越しで備えてしまって、毎月高額の減価償却費を経費処理していたら、利益は出ません・・。結果として、不要な設備に囲まれながら、不具合を改善することも出来ずに営業を続けていかなければならなくなるのです。

これに対して、設備投資を必要最低限に抑え、月々の経費(減価償却費)を詰めて、利益として残った分から「追加投資の費用を捻出」する。
これこそ、リスク回避の開業と、将来に向かって永続的にご商売を続けていくための鉄則なのではないでしょうか・・・。

 

明日に続く。

 

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このブログ記事について

このページは、飲食店コンサルタント 鈴木秀樹が2010年8月31日 05:44に書いたブログ記事です。

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